キーワードシソーラスは、Amazon販売における商品登録から広告運用に至るまで、あらゆるプロセスにおいて必要不可欠なコア資源です。商品がどのように発見されるか、ターゲット顧客にどれだけ正確に届くかを左右します。そのため、正確なキーワードシソーラスの重要性は言うまでもありません。
これまでは、あるキーワードが自社商品と関連しているかを判断するには、自然検索で上位に表示される商品の外観を確認し、目視と手動で判断する方法が主流でした。ツールを使えばAmazon検索ページで検索する手間は減りましたが、目視による確認は依然として負担が大きいです。
現在、セラースプライト拡張機能の【関連性スクリーニング】機能では、キーワードの自然検索上における競合ASINの占有率を計算することで、キーワードの関連性を自動的に判定できます。これは、人手による類似商品のカウント作業をアルゴリズムに置き換えたものです。
1、機能原理
提供された競合ASINが自社商品と高い類似性(互換性)を持つ場合、占有率はそのまま関連性の高さを示す指標となります。
・占有率 = y / x(競合ASINの数 / 自然検索結果上位x件)
検索結果上位96件(1ページ48件の場合は2ページ、16件の場合は6ページ)において、競合ASINが何件含まれているかを測定します。
例:
・上位4件中4件が競合ASIN → 100%
・上位16件中10件が競合 → 62.5%
・上位48件中35件が競合 → 72.9%
複数の順位帯に対する占有率を加重平均することで、最終的な【総合占有率】を算出し、それに基づき関連性を評価します。上位順位帯はより重視されます。
ラベル分類:
・総合占有率 ≧ 60% → 【高関連】
・20%〜60% → 【中関連】
・5%〜20% → 【低関連】
・<5% → 【非関連】
この機能は、動的な検索結果に基づいてリアルタイムで競合ASINの数を取得し、静的なキーワードリストに依存しない柔軟な判断が可能です。
入力条件:
・最大48件の競合ASIN
・最大200個のキーワード
利用条件:
・登録ユーザーは無料で利用可能
2、使い方
Step 1:精度の高い競合商品リストを作成
以下の4つの方法で競合商品を抽出します。
未出品商品の場合:
1.キーワード検索 → 検索結果上位3ページを「セラースプライト拡張機能-商品ライブラリ」で収集
2.売れ筋ランキング → 対象カテゴリーを「セラースプライト拡張機能-商品ライブラリ」でTop100を収集
出品した商品の場合:
3. 関連商品 → 「セラースプライト-関連トラフィック」機能で露出先を調査
4. 広告レポート → 過去に出現した競合ASINを抽出
収集後、以下5つの観点で精査:
・カテゴリ一致度
・外観類似度(色・形状など)
・機能類似性
・価格帯の近似性(±15%)
・代替可能性
効果的な競合商品リスト作成のコツ:
1. 少なすぎないこと:
競合が少なすぎるとデータ誤差が大きくなりやすい
(例:本来関連性の高いキーワードでも、競合の売上が低いために順位が低く、関連性が低いと誤って判定される可能性があります)
2. 多すぎないこと:
競合が多すぎると、クローリングに時間がかかるほか、精度も低下する恐れがあります。
3. 目安は48件前後がおすすめ:
AmazonのPC版検索結果1ページが48件表示のため、分析効率もよくなります。
4. 競合構成のバランスを取る:
高い類似性と高い売上実績の両方を持つ商品を含めるのが理想です。
Step 2:キーワードシソーラスの構築
セラースプライトでは以下の4つの手法でキーワード拡張が可能:
1.競合から拡張
・単一ASINの検索流入ワード(過去30日)
・複数ASIN(最大20件)での一括抽出
・コアワードからロングテールワード・関連ワードを拡張
・ Amazonブランドアナリティクスに基づきクリックトップ3位のキーワードを抽出します。
収集後、フィルター条件で精査し、重複を除外してシソーラスに追加します。
Step 3:関連性のスクリーニング実行
1.拡張機能【関連性スクリーニング】を開く
2.すでに絞り込んだ商品ライブラリとキーワードシソーラスから、競合ASINと関連性をスクリーニングしたいキーワードをコピー&入力 →「リサーチ」をします。
まだキーワードリストの準備ができていない場合は、左側に入力したASINをもとにトラフィックキーワードを自動で拡張し、「スクリーニング対象キーワード」としてご利用いただけます。
また、以下の2つの推薦方式に対応しています:
- 関連性優先:関連ASINの数(主な基準)と検索数(補足基準)に基づいてキーワードを優先推薦
- トラフィック優先:検索数の多い順にキーワードを優先推薦
3.数分かかって結果表示し、デフォルトは関連性降順で表示します。
関連性の高低に応じた対応:
・総合占有率 ≧ 60% → 【高関連】 → タイトル・広告の主要ワード
・20%〜60% → 【中関連】→ テスト候補ワード
・5%〜20% → 【低関連】 → 慎重に使用
・<5% → 【非関連】→ 除外推奨
上記はシステムのデフォルトによる「関連性の高低」の基準ですが、自分のカテゴリー状況に応じて、関連性基準を設定することも可能です。
併せて表示される指標:
・キーワードパフォーマンススコア(Zスコア)
・商品数(競争度)
・ABA週順位/検索数(流入ポテンシャル)
・転換率(転換力)